PC5で一休みしたあとは、いよいよ復路です。
GARMINを一旦停止して、リセットして復路のコースを呼び出してからスタートです。
GARMINのリセットですが、GARMIN Edgeは400kmぐらいリセット無しで走行するとフリーズするような情報をよく見かけるので予防のために行いました。以前400kmのブルベに参加したときも折り返し地点でリセットしています。
PC5をでたらまずは近場のローソンへ。PC5では何も買い物ができなかったので、このローソンが補給ポイントになります。
折り返し地点を過ぎたことでそろそろ仮眠のことも考えはじめます。
仮眠ポイントとしてブリーフィング時に聞いてるのは、PC5の休憩スペースと、PC6の先にある「道の駅いいで」です。
PC6までは暗くなる前に到達できそうなので、とりあえずPC6まですすみ、「道の駅いいで」で仮眠かなぁと考えながら進みます。
追い風だったのか、力がでないわりには、いいペースで進んでいきます。
PC6セブンイレブン飯豊椿店
PC6到着は19時前。
補給と夜にそなえてアイウェアのレンズを調光レンズからクリアレンズへ交換。
ジオスさんとデモンタブルさんと少し会話。ジオスさんは、「道の駅いいで」で仮眠予定だそうだ。
私も「道の駅いいで」で仮眠するつもりでPC6をスタート、じきに「道の駅いいで」へ到着。
道の駅いいで
仮眠できると言われてた休憩スペースへ行き、身につけた装備を外しちょっと横になってみる。
もう体中がシンドイ。脚は疲れ切ってて力が入らない。お尻もひどい痛みになってきてる。コンビニで停止するたびにアソスシャーミークリームを塗ったくってごまかしてるけど果たしていつまでもつやら…
不思議なコトに眠気はほとんどない。それでも目を閉じてるだけでも疲労回復するという話しもあるので、目を閉じてみる。
さっきから定期的に「ぽーん」という電子音が休憩所で鳴ってる。休もうと思ってるのでこの電子音がやたら耳障りに感じる。
「行くか…」
眠気もないし、定期的な電子音もうるさいので、ここでは仮眠せずに先に進むことにしました。時間は夜19時35分ぐらい。
休憩所を出て出発準備をしていたらジオスさんが到着。
眠くないので仮眠やめて先に進むことをつげて、出発。
ここからPC7までの間には、復路の大ボス「白布峠」が待ち構えてます。
この大ボスを攻略できれば、あとは難しい道はないはず(ってこのときは思ってました)
復路の大ボス白布峠
「道の駅いいで」を出発して夜道をすすみます。しばらくは平坦。だいたい25km/h程度で走行。
時間は土曜の20時半ぐらい。国道287号線から小野川温泉方面へ右折すると徐々に登り基調になっていきます。ここから白布峠山頂まで約30km弱。
予めコマ図に曲がったポイントから峠のてっぺんまでの距離を書いておいたので、コマ図をみるとあとどのぐらいの距離を登るのかわかります。
しかしここからの登りがキッツイキッツイ。
ルートラボの勾配図みてもらうと分かると思いますが、峠にむけて徐々に勾配がきつくなる坂です。
峠までのラスト10km程度は平均勾配7%以上。ときどき10%勾配まででてきます。時速10km以下でノロノロと登ります。
10%の急勾配では、車がきてないのをいいことに蛇行登りまでしたんですが、だんだん蛇行するのすらしんどくなってくる有りさま。
普段はできるだけシッティングで登る方なんですが、勾配がきつくなると疲労もあって、全然シッティングでは踏めないので、ダンシングに。ダンシングというより「立ちこぎ」という方がピンとくるようなダンシング(^^;
フロントチェーンリングは50T–34Tのコンパクトリングなんですが、こういうキッツイ峠走ってると30Tとか欲しくなりますね。
こうなってくるとだんだん悪態独り言が増えてきます(^^;
「誰だよこんなコース考えたの!」
「夜中じゃ景色も何もみえん!」
「どこまで登りゃええねん!」
あまりにもゆっくりだったので、段々ライトのバッテリ残量が気になってきます。
PC6を出たあと、メインライトのひとつDOSUN A2がバッテリ切れを起こしてもう一灯のキャットアイに切り替えてからかなり立つので、そろそろ残りが怪しいです。
もちろん予備電池は持ってきてるのですが、なんせ夜中の峠は真っ暗闇。
ヘルメットにもライトを装着しているとはいえ、暗闇で電池交換はあまりやりたくないところ…
できればPC7まで持って欲しいという思いは裏切られ、しっかり登坂途中でバッテリ切れ。急に真っ暗闇にもどって一瞬焦ります(^^;
あわててヘルメットライトを点灯して止まれそうなところをさがします。ちょうど待避所か駐車場らしきスペースがすぐ側にあったので、そこで停止してライトのバッテリを交換します。
これで一旦予備電池無しの状態になります。頂上までの残り距離を考えると十分交換した電池で走りきれるはずですが、それでも「予備」が無くなるとちょっと不安になりますね。
このバッテリ交換のためのわずかな停止でも身体は少し回復するようで頂上までの残り3km程度だったんですが、ほんの少しだけペースをあげて走ることができました。
なんとか頂上まで登り切ったのは夜23時ごろ。
「道の駅いいで」をでてから3時間半もかけてようやく復路の大ボスを攻略です。
この白布峠はめっちゃ疲れました…
いつも峠道とか登りは「脚はつかない。脚をついたら負け!」って気持ちで登ってるんですが、「今回はあきらめよう。脚ついて休んだっていいじゃん。押してあがったっていいじゃん」って何度も自転車下りようとしましたね(^^;
なんとかギリギリのところで「いや、でも脚つきたくない!」って思いだけで登ってました。
次同じところを走ったら登り切れる自信ないですね…
さて、なんとか登り切ったので次は下り。
ウインドブレイクベストとウィンドブレーカー代わりのレインジャケットをはおります。浄土平では下りで防寒対策なにもしないで下ってしまって寒い思いをしたので、今度は万全の体制です。
下り準備をしながら息をととのえてると、バイカーの方がひとり後ろからやってきて「一人で下りられますか?」って声をかけていただきました。
夜中に自転車一台で峠のてっぺんで止まってるので何かトラブルあったかと心配されたのかもしれません。
「大丈夫です!」って応えると「この先でドリフトしてる連中いるんで気をつけてくださいね」って注意していただきました。
下ってる最中にドリフト族にあおられたら、道をゆずろう。そう決めて、LEZYNE Mega Driveを点灯してくだりはじめます。
写真取り忘れたのがくやまれるんですが、LEZYNE MegaDriveってめっちゃ明るいです!
DOSUN A2やキャットアイHL-EL540がおもちゃに思えるぐらいの圧倒的な光量です。
直線では、遙か彼方まで照らし出してくれるし、光が大きくブワッとひろがってるような感じなので、路肩の様子もわりと確認できます。
とはいってもブラインコーナーの先までは照らせないので、そこはヘルメットライトで進行方向を照らしながら走行しました。
ドリフト族については、運良く私が下ってる間は駐車場等で止まってしゃべってるところで、後ろからあおられることもなく安全に下りられてラッキーでした。
白布峠からPC7までは、ずっと下りなんですが、25km以上もある下りなのでどんどん身体がひえてきます。
うんざりするほど下っていくとようやくPC7セブンイレブン猪苗代若宮店。
PC7セブンイレブン猪苗代若宮店
PC7セブンイレブン猪苗代若宮店は往路ではPC3。ここまでくれば全行程の2/3が終了。走行距離は430kmをこえ、残り距離は約170kmちょい。
大ボス白布峠も攻略したので、あとはたんたんと進んでいけば完走できるはず!って確信をもてる距離です。
夜中の下りですっかり身体がひえてしまったので、ここではカップラーメンを購入。あったかいもんが嬉しい。
有人チェックなのでスタッフさんにここまでのレシートもチェックしてもらいます。それにしてもスタッフさんも大変ですよね。皆のチェックがおわるか、PCの制限時間になるまでは、夜中だろうが、猛暑だろうが、その場で待機ですもんね。
自分の性格から考えると、PCスタッフの方が走るよりもずっと辛そう…(^^;
ここで、寝れるかどうかはわからないけど、シューズをぬぎヒザを抱えて大休み。もし寝入ったらそのまま寝てしまおうと思ったんですが、ものすごーーーーっっっく疲れてはいるけど、それでも座った体制ではやっぱり寝られませんでした。
「どこかで眠くなったら寝るとして走るか」そう思って再出発することに。
スタッフさんから残りのコースのアドバイス。「しばらく平坦で、また峠2つこえて、そしたらあとは下りだけ」
「え?!」
まだ峠あったのか…
気になってiPhoneの「ルータン」でコースを検索。
白布峠のボスっぷりが素晴らしすぎてあまり注意してなかったんですが、このあとの峠も標高800m超えで結構しんどそう。
脚の疲労感としては、もう脚は売り切れで全然登れるとは思えないような状況。かなぁり不安です。
睡魔は突然に
PC7を出発して、どのぐらい走ってからか全く覚えてないのですが、急に強烈な眠気に襲われはじめます。
まっすぐな一本道で変化も少ないので脳があきてきたのかもしれません。必死に眠気を追い払おうと思うのですが、もうどうにもならない。
半分うっつらうっつらしながらペダルをこいでるような状況です。
「いかん!やばい!仮眠できるところ!仮眠できるところをさがすんだ!」
いくら眠いからといっても、路肩で横になろうもんならいつ車にはねられるかわかりません。仮眠をとるにしても安全にやすめるところを探さないと!
そう思って道路脇に目をやって必死にさがすんですが、見事に何もない道…
「バス停!屋根付きバス停とか、ベンチをさがすんだ!」
って思って目をこらすんですが、まったくみつかりません(^^;
もうどうしていいやらわからなくなりかけた頃にようやく「道の駅ばんだい」の案内を発見!!!!
「よっしゃーー!!!!ねられる!!!!」
最後の集中力をふりしぼって、「道の駅ばんだい」へ。
たどり着いたときは心からホッとしましたねぇ。
「道の駅ばんだい」の休憩スペースは半ばオープンですが、風よけと屋根があり、なんとクッションつきベンチがあります!!
ベンチ脇に自転車をおき、ベンチに横になります。30分のタイマーをセットして目を閉じたんですが、もう「あっ」という間に眠りに落ち、タイマーに全く気がつかないで眠りつづけ、気がついたら4〜50分寝てました。
この「道の駅ばんだい」での仮眠のおかげで、またなんとか走ることできました。
ただ、このときに限界時間はこえたようで、このあとは頻繁に眠気に襲われるようになり、ガムやエナジードリンクでごまかしながらの走行となります。
試した眠気ざまし
コーラ、コーヒー、エナジードリンク、眠気覚ましガムを試したんですが、効果が弱かったのはコーラとコーヒー。徹夜の眠気に対してはカフェイン少ないんですかね?
エナジードリンクは割と効果があって、飲むとしばらくは眠気を感じずに走ることができました。
あとやっぱりガムはいいですね。走行中に軽い眠気を感じたら、すぐにガムを噛むようにしたんですが、噛むという行為で眠気をかなり追い払えます。
PC8から夜明けのヒルクライム
PC8から日光街道を南下して大内ダムまで実質最後のヒルクライムです。そこさえすぎれば、残りは登るといっても短かったりゆるやかな勾配ぐらいです。
スタートしてから28時間を経過。2回目の朝です。
この峠も時速10km以下でノロノロと登ります。とちゅうでいいペースで登っていくランドヌールさんに追い抜かれたんですが、たぶん5時スタートの黒澤さんだと思います。
「5時間差を詰められちゃうのか…どういう世界なんだ…」
ってビックリしながらも、峠はまだおわらないのでゆっくりゆっくり登ります。
「脚ついたっていい。きつくなったら押し歩きでもいい。どんなに遅くたっていい。とにかく前に進むのをやめさえしなければ完走できる!」
たしかそんなことを思いながら登ってたと思います(^^;
PC8からPC9までは約62km。峠有り、登り基調での62kmなんで、かなり時間かかります。
峠を越えてしばらくいった先のファミリーマートでトイレ休憩がてらしっかり身体を休めます。
お尻の激痛
脚がきっついのもありますが、それ以上に気になってるのがお尻の痛み…
サドルにあたる座骨あたりの痛みがだんだんと激痛になってきてます。
激痛でサドルに座るのが辛い…それもあってファミリーマートでの休憩は長居になってしまいました。
ファミリーマートを出発して再度PC9を目指して走り出したんですが、やっぱりケツが痛い!
頻繁にサドルから腰をあげて立ちこぎしないと、とてもじゃないが耐えられないような状況です。
残り100kmぐらいだというのに、痛みのせいでその残り100kmがとてつもなく遠く思えてきます。
そんなときにふと思いだしたのが「頭痛薬」の存在。
出発準備をしてたときに女房が念のためにと持たせてくれた「正露丸」と「頭痛薬」
「頭痛」「生理痛」「歯の痛み」にって宣伝してるぐらいだから、もしかして今の尻の激痛にも効くんじゃね?
もう今やれるのはこれしかない!と思いサドルバックに入れてた頭痛薬を飲みます。
結果、頭痛薬はお尻の痛みにも効いてくれました(^^)
頭痛薬を飲んで走りだしてからしばらくすると、サドルに座ったままペダリングしても平気なぐらいに痛みがやわらぎました。
走行中にまたダメージが蓄積してきて痛みも増してくるんですが、ギリギリ「あとちょっとで完走なんだから、なんとかガマン!!!」って思えるぐらいの痛みにとどまってくれてます。
このとき「頭痛薬」もってなかったらまともに走れなくなってきてたんで、大幅にタイムを失ってタイムオーバーになってた可能性もありますね…
この激痛と頭痛薬の効果で、次にブルベに参加するときまでに絶対良さげなサドルを探すことと、お守り代わりに頭痛薬を持って行くことを心に誓いました。
最終PC PC9ヤマザキショップ会津高原店
お尻の激痛を乗り越えてなんとかたどりついた最終PC。PC9ヤマザキショップ会津高原店。
時間は日曜朝8時。
ここまでくれば残りは76km!もうのこりは二桁kmかと思うとゴールはほんとすぐ目の前って感じがしてきます。
コマ図をみると、コマ図に自分で書き足した「5」に二重丸のマーク。「この先5kmで最後の最高点」という印です。
以前セルフディスカバリーアドベンチャーin王滝で、まだ登りが残ってるのにもうあとは下りだけだ!って勘違いして脚を使ってしまい登りで脚をついた苦い思い出があるので、どこが「ラスボス」かを書いておいたんですね。
その地点さえすぎれば、あとは下り!脚が売り切れてても半分惰性ではしっていけるはずです。
実際このあと、5km地点を越えて下りにはいってからは、ペダリング→惰性→ペダリング→惰性みたいな走り方してました。
ゴールはすぐ目の前といっても、実際には76km。弱り切った身体ではかなり時間かかります。
PC9についたのが朝8時ぐらいでしたが、宇都宮まで3時間以上かかってます。
いよいよ森林公園、ゴールです!
宇都宮の道に全然なじみがないのですが、ブリーフィングでもその名前があがり、出発時にまがっていった「新里町」の交差点。この交差点を曲がったときに「やった。帰ってきた…生還できた!!」って思いました。
国道293号線から森林公園へと曲がるともうゴールはほんと目の前です。
苦難に満ちた 600kmがようやく終わる…って思ってたんですが…
「あれ?そいやスタート時に最初けっこう下ったよな。ってことは最後登り?!」
そう最後の最後にゴール地点に向けての登りです(^^;
距離はすごい短いけど勾配はきっつい。最後の最後まで気を抜けないコースです。
森林公園を登り、赤川ダムの脇をこえ、最後のつづら折りを上ったらようやくゴール!
自転車を置き、ブルベカードとレシートをチェックしてもらいます。無事ちゃんとレシートもそろってました。これでBRM720宇都宮600km完走です!
順調に走れてた往路と比較すると復路はよくリタイヤしなかったなって思えるぐらい苦しみに満ちた行程でした。
たぶん「600kmブルベを完走してスーパーランドナーになる」という目標がなかったら途中でリタイヤしてたでしょうね。初の600km、初のシューペルランドヌール取得って思いで走り切れたんだと思います。
ちなみに…ゴール到着時点で、iPhone5, モバイルバッテリともにバッテリ切れになったため、写真もとれなきゃTweetもできない状態になりました。
5700mAhのモバイルバッテリが空になったのは驚きでした。600kmブルベではもっと容量の大きなモバイルバッテリいりますね。
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