SDA王滝100kmを振り返る

マウンテンバイクを購入して1.5ヶ月でセルフディスカバリーアドベンチャーin王滝(以下SDA王滝) 100kmに参加したわけですが、なんとか無事に完走することができました。

いろんなことがあってゴールできたときには感極まって泣きそうになるほど過酷なレースでした。
ブルベやエンデューロ、ヒルクライム、ロードレースといろいろやってきましたが、それらと比較してもSDA王滝が一番過酷だったと感じています。

早く並ばないとダメ

王滝スタート前いつもレースに参加したときに感じてるのになかなか実践できてないのは、スタート前に早く先頭に並ぶということです。

朝5時ぐらいに並びにいったらかなり後ろの方になっちゃいました。

後ろの方にいると、前方で発生したトラブルの影響をもろにうけてしまいます。

今回はスタート地点から数kmのパレードランがおわって林道に入り、登り始めたときにそれは発生しました。

平坦から登りにうつると急に速度が落ちます。集団で登りに入っていくので一気に団子状態になります。そして行き場を失った人や速度とギアが合わなくなった人が脚をついてとまってしまいます。

それに巻き込まれて私も停止(^^;

再スタートしたくても後続がどんどん続いていくのでなかなか再スタート切れなくてまいりました。

CP1まではひたすら登り

CP1の様子。まだみんな元気そう

CP1の様子。まだみんな元気そう

スタートからCP1までは大きな登りが2つあります。ただひたすらに登る辛いコースです。

ただこのあたりの道は結構整備されてるみたいでしっかりグリップしてくれて登りやすかったです。
途中にある下りも後半の下りに比べれば安定して下れる道でしたね。

ただ私自身がダートになれてなくてこのときはまだ下りが怖い状態でしたが(^^;

CP1ではまだバイクもあまり汚れてない。

CP1ではまだバイクもあまり汚れてない。

呼吸が苦しくてしょうがない

それにしても登ってる最中呼吸が苦しくてしょうがなかったです。いつもなら心拍がかなりあがっても意外と呼吸は楽なのですが、この日はずーっと呼吸がしんどい状態がつづきました。

ぜーぜーというよりヒュー、ヒューと鳴るような呼吸になってました。最初はなんで今日はこんなに呼吸が苦しいんだ?って思ってたんですが、よく考えると前日の夜から当日明け方にかけての喘息の発作の影響だったと思います。

いったい何に反応して喘息の発作がでちゃったかわからんのですが、久しぶりに喘息の症状におそわれて、前日は1,2時間ぐらいしか寝ることができませんでした。
朝には症状が落ち着いてたので大丈夫だと思って走ったんですが、登ってる最中になにかの限界を突破してヒューヒュー言い出しちゃった感じですね。

今日になってもまだ影響残ってるようでちょっと呼吸が浅めです。今週末はMt富士ヒルクライムがあるからそれまでに完全回復して欲しいところです。

速い人はライン取りがうまい

よくMTBライドで「視線は遠くにやってラインをよく見て」なんて言われてますが、「ライン」って言われてもどんなラインを走ればいいの?って思ってたんですが、SDA王滝で他の選手を見てるうちに少しだけわかってきました。

登りをスムーズに登れてる選手、下りを快調に下っていける選手。

こういう人達の後ろについて走ってみると確かに走りやすい。

なんで走りやすいのか?

それは逆に登りでときどきふらついてる選手、下りでいまいち速度が乗らない選手と同じラインを走ってみたらよくわかりました。

速く走れてる人は、凹凸が少なく障害物が少ないラインを選んで走ってました。

他の自転車が何台も通って踏む固められたようなラインを走行してるので、障害物の岩や枝もなく、上下の凹凸も少ないから登りでは安定して地面にトルクをかけられるし、下りでは安定したグリップを得られる。

すこしでも安定した路面を選んで走るから速いんですね。

まだ自分でそういうラインをパッと見て判断できるほどではないので、一人で下ってるときはペースがうまくあがらなかったのですが、自分よりちょっと速い人のあとにくっつていけたときは、同じラインをトレースするようにしたら、私みたいな素人でもいいペースで下ることができました。

登りは速度が遅いので、じっくり凹凸が少ないラインをさがして登るというのを実践することで少し楽に登ることができました。

ライン取りって他にもポイントがあるのかもしれませんが、今回SDA王滝で凹凸の少ないラインを選ぶというのがわかって良かったです。

パンクはしなかったけど…

SDA王滝はパンクしやすいということだったので、予備チューブ2本、CO2ボンベも2本、これを使い切っても対処できるように、パンク修理パッチと携帯ポンプも持ち、さらにカットパンク対策にタイヤブートも用意したというのに、結局最後までパンクしませんでした。

そのかわり別のトラブルが…

CP1に向けて走ってる途中から時々ペダリング中に「カシャンッ」って音とともに、一瞬ペダルが無負荷になることがありました。
「変速がうまくいってないのかな?」
とか思って変速レバーを操作しなおしたりとかしてたのですが、ずーっと時折「カシャンッ」って無負荷になることがつづきました。

CP1を過ぎてからもこの症状はつづいたのですが、走りながらこの音と無負荷になる感覚を以前感じたことがあったのを思い出します。

それはチェーンがギアの歯を飛び越しちゃってる音。

「あー、これってチェーンが伸びて歯からとんじゃってる症状だわ」
「んーでもこのバイク1.5ヶ月前に購入したばっかりでそんなに乗り込んでないよ」
「そんなに乗ってないのに、チェーンが伸びたような症状が発生するってどういうことだ?」
「あ、もしかしてチェーン切れかかってる?」

って思った瞬間「チュインッ」って音がしてチェーンが切れました(^^;

ピンボケですが、こんな感じできれてました。

ピンボケですが、こんな感じできれてました。

人生初のチェーン切れです。
チェーンが切れたバイクを見て思ったのが、こんな状態になって修理に必要なピンとかミッシングリンクなかったら途方に暮れただろうなぁってことです。

ブルベを走られてる方がチェーンカッターとミッシングリンクを装備されてる理由が少し分かった気がします。

チェーンを修理するためにバイクを倒してサドルバックから工具を取り出そうとしてたら、脇を登っていく選手の一人が登りながら「予備のピンありますか?」って声をかえてくれました。
初参加の身としてはこういう声かけてもらえるのは素直に嬉しいです。
「はい!大丈夫です!」って返事して一瞬の交流は終了。修理にとりかかります。

チェーンカッターとミッシングリンクはGW中に参加した王滝練習で必要性を感じて購入してありました。

TOPEAKのチェーンカッターで初めてチェーンを切ります。切ると言ってもチェーンをつないでるピンを押し出すんですけどね。

壊れたチェーンのコマを外したら、次はチェーンをつなぎます。いやその前にチェーンが完全にはずれてるのでチェーンを通すところからですね。

一瞬リアディレイラーのプーリー周りってチェーンはどうやって通ってたっけ?って思いましたが間違えることなくチェーンを通すことができました。

あとはチェーンをつなぐだけなんですがこれが苦労しました。

バイクを横倒しにしたまま修理してたんですが、スプロケットにチェーンがかかると、タイヤの抵抗があるので、後ろ方向にしかチェーンがうごきません。
作業しやすい位置にチェーンを移動させようとすると、せっかく通したチェーンがまたはずれます。

ミッシングリンクもなかなかガチッとはまらない。

しくじって手をすべらせると、ジャラジャラ音をたててまたチェーンが外れる(^^;

ずいぶん苦労して修理に20分ぐらいかかってしまいました。チェーン修理のベストなやり方をまた改めて調べておきたいところです。

CP1を出てすぐのところでチェーン修理。このあたりは路面もまだきれい

CP1を出てすぐのところでチェーン修理。このあたりは路面もまだきれい

かけ水ボトルを用意しておいてよかった

CP2。一日中好天に恵まれました

CP2。一日中好天に恵まれました

CP1をすぎたあたりから、かなり暑くなってきます。この日の予想気温は朝5度からはじまり日中は25度ぐらいまであがる予報だったと思います。

天気もいい。

そんななかで登ってるとどんどん身体が熱くなっていきます。
暑くなってきたら頭からかぶろうとおもってボトルケージに真水をいれたボトルをセットしてたんですが、これが役に立ちました。

頭からかけたり、あつくなった太ももにかけたり…

ハイドレーションシステム使っててもボトルに水いれておくのはやっぱいいですね。
ハイドレーションの水がなくなったときの予備にもなるし、ケガしたときに傷口あらいながすのにも使えるだろうし、こうして暑くなったときにあたまからかけることもできますからね。

予定外のPC3停止

CP3まで来るとバイクはドロドロ

CP3まで来るとバイクはドロドロ

CP2からCP3まではコース図で13kmぐらいしかありません。この区間が非常に短かったので当初はCP3では停止しないで、パスしようと思ってました。

そのつもりでPC2では最後まで走りきれるように水も多めの1.5リッターを補充してました。

なのにCP3に立ち寄ることに。

原因はPC2からPC3の間にある登りがあまりにも過酷だったからです。

路面はガレガレ。
壁かと思うような勾配。
顔をあげて先を見ると心折れそうになるようなまっすぐな登り。

インナーローを目一杯につかって時速2〜3kmぐらいのゆっくりしたペースで登っていきます。

ここまでの疲労もあって左足のハムストリングあたりがヘタするとつりそうな感じに痛みます。

のぼればそのあとは下り。でも下りも楽できないのが舗装路と違うところ。
腰を上げて衝撃を逃がしながら下るわけですが、登りの疲労が激しすぎて腰をあげてるのが辛い!

そんなわけでフラフラになって「次のPCで絶対休む!」って思いながらPC3へ到着。予定外の停止となりました。

PC3でもらったパワーバーがうますぎ!

CP3ではパワーバーが配られてた

CP3ではパワーバーが配られてた

フラフラになって立ち寄ったPC3では、パワーバーが無料で配られてました。
バニラ味のパワーバーをもらって食べたんですが、これがうまくてうまくてたまらない(^^;

普段だったら濃いなぁって思うパワーバーの味が、疲れきった身体には最高においしく感じられました。
きっと疲れた身体に活力を与えるように濃いめの味になってるんでしょうね。

ほんと元気が少し回復しましたよ。

 

 

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橋の先の登りは押し歩きで

PC3をすぎるとすぐに難所がやってきます。以前雨で流されたこともあるという橋をわたって左にまがった先にある超ガレガレ&急勾配な登り!

もう全然登れないので、さっさと脚ついて押し歩きで登りました(^^;
見てると後続の選手も押し歩きしてましたね。

この坂を登れる選手がいるんですねぇ。すごい!

この坂を登れる選手がいるんですねぇ。すごい!

前日にコース説明あったんですが、そのときもこの坂を登れるので全選手のうち20〜30人ぐらいの人だけだそうです。
確かにここまで70km以上走ってきて疲れがたまってるところで、ちゃんとスキルとパワーを発揮してガレた激坂を登り切れる人は少数だと思います。

CP3を過ぎたら二つ登れば終わり

PC3をすぎると、あとは登り2つ。PC3で聞いた話では

というわけでガレた急勾配を押しあがり、さらに二つ目の登りを登って、下りにさしかかります。
「もうこのまま下るだけ!最後すこしでもがんばろう」ってがんばって踏んでいきます。

すると目の前に何故か登りが見えてきます(!?)

「ゆるい登りのあとに、もうひとつ登れば終わり」

たしかにおおまかにコースプロフィールをみるとそうなんですが、実際には細かいアップダウンが当然あります。そう当然あるはずなのに、疲労せいで「ふたつ登ればもう終わり」って思い込みながら走っちゃってたんですね。
さっき登った2つめの登りというのは、細かいアップダウンのアップ。
というわけでまた長い登りです

もう終わると思って踏んでしまったせいで登るための脚が残ってません。なので途中から勾配がゆるくなるまでは押しあがりました(^^;

コースはちゃんと把握しましょうね。
このあとは、もうコースを誤解するのがイヤだったので、GARMINの高度図を表示して走りました。
コースプロファイルを確認したくなることもあるかなぁとおもって、事前にルートラボのデータをいれてあったんですね。
# 今おもうと誤解して踏むまえに確認すればよかったよなぁ(^^;

下りにさしかかる前に細かな登りがあるはずだから、登りを全てクリアするまでは決して無理しない。
その心を決めて走っていきます。

そしてついにGARMINの高度図が長い下りを表示します。
もう下りきったらゴールです。

気持ちがはやるはやる。

途中舗装路も通ったんですが、おもわず「うおー舗装路最高!」て声がでちゃいましたよ。

ハンドルから外れかかったGARMINマウント

ハンドルから外れかかったGARMINマウント

下る下るどんどん下る。今まで登ってきた分を一気に下る。気圧差で耳がつまる。耳抜きすると音がうるさい。
気がつくとGARMINが下向きになってる!
位置も取り付けた位置からずれてる。
放っておくと落ちそうだったので外そうとしたんですが、ダートを下りながらうまく外すことができない。
途中で落として紛失するのもイヤだったので、一旦停止して取り外すことに。
よく見るとマウントをハンドルにつけてる専用の輪ゴムがひとつ外れてました。

トップチューブバックにGARMINをつっこんで再び下り出す。勢い余って90度カーブでコースから飛び出しそうになってちょっと焦る(^^;
「落ち着いて。集中して。もう完走は目の前なんだから」
そう言い聞かせながら慎重に、でもペースをできるだけ落とさないように下っていく。

「もうすぐフィニッシュ」の案内が見えた。「来た!ゴールまでこれた!あとちょっと!」興奮してくるのがわかる。

ようやくゴールが見える。アナウンスも聞こえる。
ようやくゴール…

苦しい苦しい時間が終わった。

「完走できた…」達成感で感極まって泣き出しそうな気分だった。

完走証を受け取る。

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ゼッケンNo25 天野龍司
記録 8時間31分45秒
総合順位 337位
男女別順位 332位
年代別順位 40代男子 127位

これがMTB購入して1ヶ月半でいどんだSDA王滝100kmでの私の記録。

正直、王滝はもうおなかいっぱいって感じ(^^;
あまりにもキツくてもう一度走りに来ようって気持ちにはなれません。

ただ、走ってるコースから見える景色がものすごい素晴らしいので、もしかしたらまた数年後にでも自分のスキルがどのぐらい向上したかを確認しがてら走るかもしれません。

なんにしても完走できてほんと嬉しい!!

100kmは576人が出走。

100kmは576人が出走。

ウェアもバイクも砂だらけ

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